幻クラブ現る
幻クラブって…?(1)
幻クラブって…?(2)
幻クラブって…?(3)
幻クラブって…?(4)

 街中にあって劇場とは、非日常を誘発させる装置だと言う見方も出来ます。人々も当然それを期待して足を運ぶ。しかしその約束事に安住してしまう先には、ジャンルとしての自閉という落とし穴が待っているという気がしてなりません。起こると分かっている状況で起こしてみせる紋切り型のやり口に、いささか辟易した感があるせいかも知れませんが、非日常が飼い慣らされて日常化する、なんて逆説が起こってしまっては笑い事では済まされません。そこで我々は一端稽古場を離れ、何も約束されていない屋外へと出掛けて行きました。劇場内ではお約束とされている非日常のエキスを一滴、日常の場である屋外へ落としてみる。境界線、というのとはまた少し違いますが、先の両者を対峙させる一手段として有効なのでは?と考えたのです。互いが即座に反応し合い、劇的な効果を見せるとは思えませんが、何がしかの手掛かりは見出せるのではないだろうか。そして、仕掛けている自分達もまた勝手の違う状況に翻弄され、紋切りの呪縛から抜け出せるかもしれない…
ともあれ我々は人々が普段何気なく生活しているその隙を突き、まるで火事場泥棒の様に非日常を滑り込ませ、何が何だか分からぬ内に走り去る、という試みを幾つか実践してみたのです。
 初めて訪れた街を一人歩いていたらいつの間にか迷ってしまい、迷路のように入り組んだ薄暗い道をさんざ歩き回った揚句、路地の角を曲がった先の袋小路辺りが変に賑やかしいなと覗いてみた処、なにやら得体の知れない催しだか事件だかがそこで起きていて、これは見物したものかイヤ止しておこうか云々…と迷ってみたいものなのですが、実際はそんな事、滅多に起こってくれやしません。仕方がないから自分で起こすのです。
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